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2011.08.24 Wednesday

がん臨床試験

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     がん患者さんの中で何%の人が臨床試験をうけているか?!

    この質問について、今の職場で働くまで真剣に考え受け止めた事がなかった。

    はてさて何%でしょう?!
    (答)がん患者さんの中で臨床試験を受けている患者さんはたったの3%!!
    この数字はアメリカで出されているデーターで日本では1%ほどと聞いた事があります。

    今まで働いてきた病院や通っていた学校は臨床試験を積極的に取り入れている病院だったので多くの患者さんが参加していた。20%くらいの患者さんが参加している時もあった。
    ので、この3%という数字を文献で見た時はとても衝撃的でした

    がん看護師として働きだした10年前にくらべて、がん医療はpersonalized medicine(患者さんの遺伝子情報にあわせた個別医療)に向かって大きく進歩していると感じます。
    でもその進歩にはこの『臨床試験』は無くてはない要素。
    より多くの患者さんが参加しデータがあつまれば集まるほど信頼性の高いデータが生まれ
    次の新しいステップにつながります。

    今まで臨床試験の治療を投与する段階から関わってきたので、その以前の段階について
    全く無知でした。が、今臨床試験のコーディネーターをする中で患者さんをリクルートするのがいかに大変かを感じている毎日です。

    特に今やっている臨床試験の一つは、非小細胞肺がんの患者さんのALK融合遺伝子というものに着目しALK融合遺伝子阻害剤を投与するという臨床試験なのですが
    その遺伝子は肺がん患者さん3−5%の確率であるといわれている遺伝子なので
    非小細胞癌のがん患者さんが臨床試験に興味があるといっても遺伝子検査をするとマイナスの人ばかり。。。。。20人検査をしてやっと1人プラスになるかならないかで、そこでやっと臨床試験に登録できるかといった感じで、なかなか大変なのです。
    でも、この臨床試験がすすみデータがとれその治療の有効性が示されれば、遺伝子検査をしてその遺伝子がプラスの人のみ、その遺伝子阻害剤を投与できる。無駄な治療を軽減できるだけでなく、副作用の軽減にもつながるはず。

    近々いくつかのクリニックにいって、医師などに臨床試験の宣伝にまわろう作戦をたてています。

    私の役割は臨床試験というオプションをより多くの方にしってもらい、その患者さん自身が納得して臨床試験に参加してもらうこと。
    臨床試験は医師やナースの意思ではなく、患者さん本人の意思がが大切。
    個々の臨床試験について、熟知し情報を提供し、一人でも多くの患者さんが納得して参加してくれ、治療中も少しでも安心してうけられるような環境もつくっていきたい。

    まだまだ力不足ですが、できることからコツコツと





    コメント
    Mokoちゃん、久しぶり!!ブログはいつも読ませてもらってます。
    私も今がん専門病院で仕事をしていて、治験患者さんに触れる機会が増えてきました。でも、治験に名乗りを上げてくださっても、不適合となってしまうケースや有害事象がでてPD判定となってしまうケースも少なくありません。(膵臓がんだから、よけいなのかな?)
    先日、今後新たに導入する抗がん剤の説明会があって(←豪華お弁当つき)参加したんだけど、今まであまり臨床試験とか新薬とか研究とか難しすぎて遠ざかっていたけれど、興味深いなあっておもいました。もこちゃんの記事を読んでさらに興味がわきました。もう少し勉強してみようと思います。
    情報提供ありがとう!!
    • Atsuko
    • 2011.08.26 Friday 17:29
    Atsukoちゃん
    私もナースとして働きだした時は臨床試験ってなんだか細かくって難しくって大変というイメージで、同じく遠い存在だったなってあっちゃんのコメントをみて思い出しました。

    そうなんだよね〜クライテリアが沢山あるからそれらを全て満たせず臨床試験に入れないでがっかりする人をみると、スクリーニングをしていてとっても残念な気持ちになります。

    説明会豪華お弁当付きポイントたかいね〜♪

    また時々臨床試験のことリポートするのでよろしく〜!!
    • moko
    • 2011.08.28 Sunday 14:53
    最近、遊んでばかりでコツコツしてないなぁ。反省・・・・。
    勉強しないと!!!
    • chizu
    • 2011.09.05 Monday 21:56
    chizuちゃん
    私も週末はコツコツのコの字もきこえず、おもいっきりあそんでま〜す。たまにはこんな時も大切だよね〜♪
    • moko
    • 2011.09.06 Tuesday 13:52
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    ガンほど厄介きわまる病気はない!でも・・・
    がんはとても深刻で苦しい病気です。その状況は実際に罹った者にしか分らないのかもしれません。それでも、誰にでも共通する思いは、何とかその状況を打開したいという思いではないでしょうか?
    • 【ガンとの闘い】ガンに負けるな!
    • 2011/08/27 8:02 AM
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